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一般社団法人日本災害看護学会第23回年次大会一般社団法人日本災害看護学会第23回年次大会

大会長挨拶

一般社団法人 日本災害看護学会 第23回年次大会
9月4日(土曜日) オンライン開催

一般社団法人日本災害看護学会第23回年次大会
大会長 長岡崇徳大学看護学部 山﨑 達枝

 昨年来より世界中で蔓延している新型コロナウィルスや災害等により亡くなられた方々に、謹んで追悼の意を表します。
 新型コロナウィルスは、ワクチンにより収束の可能性が見えてきたものの、症状のより重篤な変異株が発生するなど予断の許さぬ状況の中、日夜、医療の最前線で活躍されている皆様に心より感謝申し上げます。
 第23回年次大会のテーマは、「災害多発時代に守りたい生命(いのち)とこころ~実践知をともに未来につなぐ~」としました。大会のテーマを受け会長講演タイトルは、「被災地支援活動からの学び知をつなぐ~過去・現在・未来~」としました。
 「災害現場は一番の文献の宝庫」
 私はこれまで現場で見聞きするものこそ最も重要と考え、できる限り災害発生直後に現場に向かい、活動をしてきました。何事も学ぶためにはまず現場に赴くことが大切であり、現場にこそ真の学びがあります。特に災害看護の学びは、被災地・被災者の方々の声に耳を傾けることなくして災害の本質はわからず、そこから得た学びを語り継ぐことが、復興、そして未来の減災につなげられる方法だと信じています。
 災害により人々が受ける傷には、大きく分けて身体的な傷と精神的な傷の2つがあります。急性期の医療という視点からは、どうしても身体的な傷の治療に重きがおかれますが、長年現場で被災者と接していると、多くの方が精神的な傷を抱え、さらに長期にわたってその傷に悩まされていることに気づかされました。今回の年次大会では特に災害による心の健康に焦点を当て、惨事ストレスや遺族のメンタルケア、さらにこれまで検証されることの少なかった性暴力や性別における避難所の問題、災害を乗り越えられた心の拠り所を考えたいと思っています。また、これまで私が被災地で見聞きした問題を取り上げながら、現場で被災者が実際に語ってくれた思い・経験を共有できるようなプログラムとしました。
 自然災害多発国である日本の中でも、特に私が現在居住している新潟県中越長岡市は、これまで地震・洪水・雪害(世界で有数の豪雪都市、特別豪雪地域に指定)など、数々の厳しい惨事を経験し、復興を成し遂げてきた地であります。いにしえから多くの災害に遭遇し、生き抜いてきた経験をもつ長岡から、万全の対策を講じ是非とも対面式での現地開催を行いたいと願っていましたが、このような状況から、参加者・関係者の健康と安全を最優先に考えオンライン開催に切り替えることとしました。皆様に直接お会いできないのは大変残念ではあるものの、このような災害時こそ多くの学びや知恵を得ることができる機会であり、我々は障害を乗り越えるために試行錯誤することによって、未来に繋げるための新たな手段を修得できるものと考えます。ぜひ、この機会に多くの皆様にご参加いただけますと幸いです。

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